【書評】ブログエイジ(イケダハヤト)
*イケダハヤトさんのファンでもアンチでもないですが、アンチ側の意見を目にする機会が多かったので偏りがあるかもしれません。
イケダハヤトさんの電子書籍における処女作*1「ブログエイジーイケダハヤトのブログ農耕ライフ」を読みました。
概要
i.hayato書店の2012年度の記事を未来系レーベルの小川未来さんが時系列でまとめた本です。それぞれの記事の後に「編集後記」という形でイケダさんが感想や補足説明を書かれています。
独特なのは電子書籍、というかKDPならではの作りになっている点で
- バーションアップによってコンテンツが追加されていく
- httpリンクがすぐに辿れるからブログ記事まとめとしても読みやすい
- アマチュアの編集者がブロガーと組んで出版
- 紙だと200ページ相当が99円
など、KDPではなければ出来なかった*2本になってます。
ブログ=農耕論
面白かったのはタイトルにもなっているこの話です。
- 自分で土地を用意してもいいし、借りてもいい
- 顔の見えない自然を相手にしている
- どんな作物を育てるかは自由
- 不作に陥った時はメンテナンスをする
などなど、いろんな例が挙げられていました。
たしかに農民的視点をもつと、ブロガーとしてどうすればいいのかが見えてくるかもしれません。
頭やアイディアを畑と例えている人もいますし、畑は汎用性高めですねw
少し残念だったのは、この話が特に掘り下げられることもなく少し出てきただけだったことです。タイトルにもなっているし、面白いテーマなだけにもっと読みたかったというのが正直な感想です。ブログ=農耕論を期待して買われると拍子抜けしてしまうかもしれませんので購入を考えている方はご注意を。
イケダハヤトという書き手
そもそもなんてこの本を買ったかというと、悪評ばかり聴いていたw「イケダハヤトってどんな文章を書く人なんだろう」と気になってそれを確かめるためでした。
ってことで自分なりの印象をまとめておきます。
一文で書くと
「メンタルが強いけど誠実な書き手とは言えない」
です。
メンタルが強い
と思ったのは、
- 匿名での誹謗中傷は意に介さない
- 芸術家が変わることは「進化」(ニュースサイトへの方針転換の際)
- 創作しているのなら逃げることが大事、これからも逃げまくる
などを言い切れるところです。こんなこと余程の自信があるか、図太さを持っていなければなかなか言えません。
誠実さに欠ける
と思ったのは以下の2点から。
- (開発者や著者のことを考えて)オープンな場でダメ出しをしない
一見すると正しいように思うんですが「読者にとってはどうなんだろう」と思います。「自分が上に立ちたいから」などのしょうもない理由での批判はするべきではないですが、不満点も書いたほうがより読者に優しいと思います。
穿った見方をすると「自分のとこから買ってもらいさえすればいいんだから、ダメなところは書かない」という風にも取れますしね。
- 恩着せがましい人は嫌いでも、違う記事では積極的に恩を売るべきだと主張する
ダブルスタンダードと言われてもしょうがないような書き方をされてます。
「恩を売るべき」と書いた記事の編集後記で
恩の与え方には「作法」があります。シンプルにいえば、「恩を与えたことは一刻も早く忘れる」べきです。
とフォローしているので、矛盾しているわけではないのですが、これは本来記事の方に書いた方がいい内容だと思います。
読者、とくに固定読者のことを考えているのであれば、自分が昔書いた記事と反対に取れるような記事を書くときには、整合性のある表現で書くか、フォローをするか、意見が変わったことを明記すると思います。それをしないのは怠慢といえるのではないでしょうか。*3
- 作者: イケダハヤト
- 出版社/メーカー: 未来系レーベル
- 発売日: 2013/06/17
- メディア: Kindle版
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アンチの意見を多く読んでいたためだと思いますが、アンチ寄りの印象を持ってしまいました。フラットな目線で読めたらイケダハヤトさんのまた違った見方ができたかもしれないと思うと少し残念。