ライフ・アウトラインのタイトルと現実から始めることについて
「ライフ・アウトライン」とは
ライフ・アウトラインはTak.さんによって名付けられたアウトライナーの使い方の1つ。
『アウトライナー実践入門』では、
「人生(ライフ)」と日々の「生活(ライフ)」とをリンクし、「現実の行動(タスク)」に落としていけるようなツールと手法
として紹介されている。Tak.さんの場合はこのアウトラインに「Clear」というタイトルをつけていて、本では構造や使用方法も書かれている。(ちなみに話題をライフ・アウトラインだけに絞った本を執筆中らしい。楽しみ。→「『Piece shake Love』について:Word Piece >>by Tak.:So-netブログ」)
私も似たようなことをWorkFlowyでやっていたこともあって、さっそく真似してみたんだけど、アウトラインのタイトルがなかなか決まらなかった。
- 「Clear」とかほかの言葉でも借り物のような気がしてくるし、
- そもそもタイトルつけてもぜんぜんそうじゃないライフ(人生・生活)に対してギャップを感じて無力感に苛まれたり、
- 「My Life」だったり、いっそ名前をつけないのも考えたけどそれはそれで寂しいし、
って感じで難航してた。
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だから長い間、名前はつけずにいた(WorkFlowyの「1つの大きなアウトラインで最上位の名前(タイトル)が無い」という特性のおかげでこういう運用もできた)んだけど、こないだ改めて『アウトライナー実践入門』を読んでたら、
私のライフ・アウトラインには「Clear(クリア)」というタイトルがついています、「明快な、はっきりした」という意味です。それが私の個人的な課題だからです。
と書いてあって、ガツンとやられた。「あっ、べつにタイトル通りのライフがおくれてなくていいんだ!」と。
これは__私の「課題」という言葉のイメージが特殊なせいもあってか__大きな衝撃だった。課題は「こなすもの、達成するべきもの」というより、「果たすことのない生涯を通して向き合うテーマ、天(あるいは自己)から課せられたお題」みたいなイメージがあるから。(仏教由来かな?)
そういった意味での課題をタイトルにするという考え方なら、実際のライフとタイトルにギャップを感じるのは当然で、そうなってないことにストレスを感じることはない。
Clearを例にすると、
- ライフはクリアであるべき!
- →そうじゃない自分はダメだ。。
ではなく、
- ライフが全然クリアじゃないからこそタイトルにする
わけで、
- クリアにするためにはどう行動するのが良いだろう
- そもそもクリアとはなんだろう
と考える、考え続けるための「ガイドライン」として捉えられる。
簡潔に書くと、
ライフ・アウトラインのタイトルは「理想・夢・目標」ではなく「課題・指針・ガイドライン」である
って感じ。
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で、「課題をタイトルにする」という捉え方をしてから、いろんなことがひらけてきて、タイトルもすんなり決まった。
- 行動の指針の柱になる
- これをすれば○○になる
- これとこれならどっちが○○か
という考え方ができたり、
- 「ライフを○○にするためのアウトライン」という意識をもつ
- 日々「○○」について考える
- アウトラインがライフを○○にする(○○である)ための構造になる
などなど。タイトルの捉え方が変わっただけなのに、ライフ(もしくは世界)の捉え方すら変わってきた感覚すらある。
「こうあるべき!」として現実とのギャップに苦しむより、
できないことを前提として現実からスタートする方が苦しくないし楽しい。
できないことを前提とするのが苦しい人には向いてない考え方だろうけど、私には向いてたみたい。
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できないことを前提とするのは、理想から始めない、良くなるしかないという点において、現実から始めることに似ていると思った。
現実から始める。
これはたぶん勇気がいることなのでしょう。なんとなくそういう気がしています。なんといっても、理想はエレガントで混じりけがありません。対して現実は、混濁としていて混沌としていて混乱しています。清濁も「これでもか!」というくらいに入り乱れています。乱雑なのです。
via:R-style » 東京ライフハック研究会vol.16に参加してきました
エレガントで混じりけがない状態を目指していたわけでもないのに、タイトルに掲げられるとそうじゃないといけない気がしてた。勝手に。そうなれないことを知っていて(言い切りたい)、なんならそうなれないからこそ人間だろうとすら思っていたはずなのに。
それに改めて気づけた今回の発見は、自分にとって大きなものになった。
何を言いたいのか分かんなくなってきちゃったけどw 、とにかく「できてない前提にすることで、苦しくなくなる」のがわかったという話でした。以上!
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ちなみに
私のライフ・アウトラインのタイトルは秘密です。なぜなら恥ずかしいから。