少年に対する実名報道うんぬんについて
最近話題のやつ。
「なんで実名報道しないの?」とか「加害者側に対して被害者側の人権が軽んじられてる!」みたいな意見はわからんでもないんだけど、だからと言って「じゃあ俺が実名を晒してやる!」とか「それを拡散しよう!」というのは下品だと思う。(そもそも違法なケースもあるし。)
だからそういう人に対して反論?というか「ちょっと違うんじゃない?」って言いたいんだけど、「そういうの良くないと思うな~」で終わらせるのは嫌だ。
もうちょい深く「なんで実名報道しないの?」という疑問に対して、納得できるような言葉で答えたい。素人なりに。
ってことで、まずは「なんで今こうなっているのか?」を知るために「少年法とはなんぞや?」から調べてみる。
概要をつかむ
少年法(しょうねんほう、昭和23年7月15日法律第168号)は、少年の保護事件、少年や一定の福祉犯罪を犯した成人の刑事事件に関する刑事訴訟法の特則を規定した日本の法律。
(中略)
少年法では未成年者には成人同様の刑事処分を下すのではなく、原則として家庭裁判所により保護更生のための処置を下すことを規定する。
少年法 - Wikipedia
なぜ少年法があるのか
少年に対してこのような規定をおくのは、未成年者の人格の可塑性に着目しているためとされている。
少年法 - Wikipedia
筆者注:人格の可塑性は「良い方にも悪い方にも人格が変わる可能性」ってニュアンス。
子どものする犯罪は大人のする犯罪とは違う面があり、自分の行為の意味や結果の予測についての判断が未熟なため、年齢が下がるにしたがってごく普通の子どもでも、その場の状況次第で重大な犯罪になってしまうことがあるのです。もちろん軽い犯罪ならやってもいい、というわけではありませんが、子どもの場合には、やったことの結果だけで判断するのではなく、どういう気持ちでやったのか、そういう行動をとった原因や背景は何なのかを、大人以上によく考えてみる必要があるのです。
(中略)
事件の状況や子どもの発達状態に合わせて、扱い方を変え、その子どもを罰するよりも、その子が反省して立ち直るための工夫をしなければいけない、と決めているのです。これを少年法の保護主義、あるいは保護処分と呼びます。
少年法ってなに? どう改正されたの?
少年法の目的は「健全育成を期す」ためであり、「子どものする犯罪は大人のする犯罪とは違う面がある」という前提があるからこの法律が成り立っている
と理解した。
その上で大人に比べて減刑されたり、そもそも裁判にかけられなかったりする、と。
少年法そのものへの反対は少ないと思うんだけど、ラインをどこに設置するかで揉めてるのが現状なのかな?(具体的なラインはWikipediaの表が分かりやすかった。→ 少年法 - Wikipedia )
もし少年法自体をなくせという意見がたくさんあったら恐いな。
少年は、
- 自分の行為の意味や結果の予測についての判断が未熟で、
- 社会的に弱い立場であり、
- そのため犯罪の原因や背景に、そうせざるを得ない環境にあったケースが(大人に比べて)多く、
- また、教育による更生の可能性が大きい。
ってのは正しいと思うので。
報道規制について。(61条)
少年法は20歳未満の未成年者を「少年」と規定。61条では、少年が犯した事件について、名前や住所、容貌(ようぼう)など、その少年と推しはかることができるような記事や写真を新聞やその他の出版物に掲載することを禁じている。未成年者が社会的に弱い立場にあることや、教育で更生する可能性が大きいことなどが理由とされている。罰則規定はない。
少年法61条とは - コトバンク
よく話題になるのがここ。
上に挙げたように弱い立場であり、更生の可能性のある少年を守るためにこのような規制が行われているってことですな。(冒頭の疑問に対する答えも結局はここにいきつく。)
反対派の意見としては「なんでこんなとこまで守らなあかんねん。もっと責を負ってもええやろ。」ってとこかな。
少し調べてみて、個人的には再考の価値があるかもしれないと思った。(刑事裁判になった時点で実名報道アリ、とか。)
この規制をなくすとどうなるか?
加害者(周辺)の人生の難易度がかなりあがる。更生したとしても。
それが抑止力になる、かも。
ただ、犯罪行為をしてしまう状況にある子どもが、少年法の細かいことまで知っているのか、というのを考えると微妙かもしれない。
かなりざっくばらんに書いちゃったけど、そんな変なことは書いてない。と思いたい。